天神学園高等部の奇怪な面々33
とはいえ、美奈子に無理をさせるのもよくない。

一時間は歩き続けているのだ。

「ラルフ先生」

「ああ…少し休憩にするか」

拓斗の呼びかけに頷くラルフ。

四人は雪を掻き分けて休息スペースを作り、そこで体を休める。

ラルフが荷物の中から携帯用コンロを取り出し、持参してきたレーション(軍用携帯食糧)や缶のコーヒーを温める。

「ほら、美奈子。食って体を温めるといい」

「うん、有り難うじぃ先生」

ただの缶コーヒーやレトルトの食事がこんなに美味しいとは。

美奈子や拓斗は、生き返るような思いだった。

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