天神学園高等部の奇怪な面々33
黙々とスコープで監視し続けるラルフ。

その口から。

「確定だな…ここは異世界だ」

そんな言葉が漏れる。

そう思うのも無理はない。

あんな生き物、自分達の世界で見たのは映画の中だけだ。

…スコープの向こう、雪煙を上げていたのは巨大な生物だった。

二足歩行、頭部に一角を持つ、30メートルはあろうかという蜥蜴のような生き物。

『ような』と表現したのは、蜥蜴には本来ない筈の白い長毛が全身を覆っていたから。

分かりやすく説明するなら、頭に一本角のある白い長毛に覆われたティラノサウルスといった所か。

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