【砂漠の星に見る夢】
「素晴らしく綺麗な蒼だろう? まるで君の瞳みたいだ。これがなんだか分かる?」
「……なにかしら?」
小首を傾げるイシスに、ネフェルは愉快そうに小さく微笑んだ。
「これは僕たちの住む星を月から見たものなんだ」
その言葉にイシスは「信じられない……」漏らした。
「こんな形をしているの? こんなに美しいの?」
熱い息をつき食い入るようにモニターを見るイシスに、ネフェルは楽しげに目を細めた。
ネフェルはそっと地球の北方を指した。
「結婚したら、まずあの辺りに君を連れて行きたいんだ」
「どんな所なの?」
「とても寒いんだけど夜になると空にオーロラという七色の巨大なカーテンが姿を現すんだよ。もう信じられないくらいに美しいんだ。君に見せてあげたい」
目を輝かせながらそう言うネフェルに、イシスは胸を熱くさせた。
「素敵だわ」
ネフェルは子供のような笑みを見せ、イシスの手を握った。
「早く明日にならないかな。君が僕の妻になってくれるなんて夢のようだ」
そう言って熱い視線を向ける彼の姿に、頬が紅潮してくることが分かった。