【砂漠の星に見る夢】
夜空を仰ぎ、光り輝く北極星を見つめ、ネフェルの姿を思い起こし、切なく目を細めた。
あなたは今ごろ何を考えているのだろう。
私のことを少しでも思ってくれているのだろうか?
思ってくれていたところで、どうにかなるわけでもない。
イシスはまた息をつき、窓から離れたとき、『トントン』と部屋をノックする音が響いた。
侍女かしら?
そう思いつつ「どうぞ」と声をかけると、大きな扉がゆっくりと開き、そこには沈痛な面持ちを見せるネフェルの妻・ターナの姿があった。
思いもしない人物の来訪に、イシスの鼓動は強く跳ね上がり、目を見開いた。
「ターナ様……」