【砂漠の星に見る夢】
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そうしてピラミッドが建造されることが決定した。


ヘムオンは宮殿中の王族や家臣が集められた大ホールで玉座に座るクフに跪いたあと、これから建造していくピラミッドについて、立体映像を使い説明をした。


「これから建造するピラミッドの大きさは世界最大のものとなるでしょう。正確で美しい、そして見る者を惹きつけてやまない、そんな巨大ピラミッドを建造する予定です」


ヘムオンが立体映像を指しながらそう告げると、クフは嬉しそうに目を細めた。


「それは楽しみだ。一体、どのくらいで完成する?」


「後世に渡り、非の付け所のない巨大な建造物を建造するのは容易ことではありません。
長い年月を覚悟してもらいたいのです」


言い難そうに告げたヘムオンに、


「ほう、それで何年かかると申すのだ?」


とクフは試すような視線を送った。


「7年の歳月を頂きたいのです」


強い口調でそう告げたヘムオンに、クフは「そうか」と笑みを浮かべた。


「7年で足りるのか?」


「はい」


ヘムオンがコクリと頷くと、クフは真っ直ぐな眼差しを見せた。


「7年あれば、民衆は助かるのか?」


その言葉にヘムオンは驚き、顔を上げた。
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