【砂漠の星に見る夢】
「それじゃあ私は……またネフェルにも会えるかしら?」
涙目のまま笑顔を見せたイシスに、ヘムオンは「勿論」と強く頷いた。
「今世でやり残したことをやり遂げるために人は生まれ変わるのです。だから、どうか今度こそ父上と幸せになってくださいね」
「……ヘムオン」
「母上、僕はあなたに育てられたことを誇りに思っています。どうか幸せに」
「私もあなたを育てられることができて誇りに思うわ」
イシスはゆっくりヘムオンの体を抱き寄せた。
「ヘムオン、約束よ。来世で必ず会いましょう」
「ええ、母上。約束します。必ず再会しましょう」
ヘムオンは抱き締めた腕に力を込め、そっと視線を合わせた。
「母上をここに呼んだのは、この教会を母上の手で破壊してもらいたかったからです。
この教会もオシリスの罪の象徴です。どうかあなたの手で破壊してもらえないでしょうか」
「どうやって?」
「ここを押すだけです」
とヘムオンはあるキーを指した。
「ここを押すとこの教会は砂と消え、それと同時にオシリスの船は姿を消します」
その言葉にイシスは戸惑いの表情を浮かべた。