【砂漠の星に見る夢】
「本当にいいの?」
ヘムオンはゆっくり頷き、握手の手を差し伸べた。
「ここでしばしのお別れです。いつか来世で会えることを楽しみにしています」
イシスは唇を噛んだあとヘムオンの手を取り、二人はしっかりと握手を交わした。
「さっ、母上」
ヘムオンに促されるまま、イシスはゆっくり頷いた。
「……押すわね。この教会と引き換えにあなたの命が救われますように」
イシスは祈るようにそう言ってキーを押した。