【砂漠の星に見る夢】



その後、突然姿を消したヘムオンに民衆は戸惑いを隠せなかった。



クフ王の嫉妬を受け、処刑されたに違いないという噂まで上がるほどだった。
しかし真相はイシスとジェドとカイにしか分からず、ヘムオンは歴史から忽然と姿を消すこととなった。



それから更に歳月が経ち、やがてクフ王が他界したあと、ジェドフラーがファラオに即位することとなった。



ファラオとなったジェドフラーは世界のどこかにいるヘムオンを呼び寄せたく思い、彼への呼びかけのメッセージを込めて『セヘド星』と言う名のピラミッドを建造し始めるのだが、それが太陽信仰派の弟王子・カフラーの反感を買い、暗殺されてしまうこととなる。



なぜ、太陽信仰で固められたクフ王の息子・ジェドフラーが星信仰のピラミッドを建造しようとしたのか、今もそれは謎として残され続け、いつしか彼は太陽信仰一族の中で、唯一星信仰に寝返ったが為に暗殺されたファラオと、後世の世に伝えられることとになる。
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