【砂漠の星に見る夢】
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「わっ」

突然舞い上がった砂に目を細めた。


ふと背後で呼ばれたような気がし振り返ったが、誰の姿もなくあるのはヘムオンの建造した巨大なピラミッドだけだった。


呆然とする私に「どうしたの? お姉ちゃん」と雄太は顔を上げた。


「ううん」


ここで起こった不思議な出来事は、生涯決して忘れはしないだろう。


夕陽に染まるピラミッドを眺めながら、波のように押し寄せる切なさと懐かしさに、胸を詰まらせた。


ふと横を見ると雄太も真剣な瞳でピラミッドを見つめていた。


何を考えているのだろう?


見詰めていると雄太はその視線に気付き顔を上げ、私たちはなんとなく微笑み合い、またゆっくりと歩き出した。



北の空には二人を見守り、未来を示すように北極星が光り輝いていた。







【砂漠の星に見る夢】
TheEND
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