【砂漠の星に見る夢】
「王の為にピラミッドを建造するなんて豪語して、こんな所で油売ってていいのかしら」
「ああ、それなんだよなぁ、面倒くさくて」
眉をひそめるネフェルに、イシスは「面倒くさい?」と目を丸くした。
「そう計算が……こう見えても頭の中はフル回転してるんだ。お見せできなくて残念だよ」
「計算が必要なの?」
「そう、設計書は『オシリス』の人間が、ちゃんと作らなきゃいけないんだ」
ネフェルは、苦笑し頭をかく。
そんなものなんだ、と感心していると、突然、ネフェルの背後に黒ずくめの男達が姿を現し、イシスは目を凝らす。
あの黒ずくめの男達は……なに?
剣を構えているから刺客に違いない!
「ネフェル、背後に刺客が!」
そう声を上げてすぐさま身構えたイシスに、ネフェルは素早く振り返り、腰の剣に手を伸ばす。
次の瞬間、「気付かれたぞ、かかれ!」と黒ずくめの男達が一斉に襲ってきた。