【砂漠の星に見る夢】
「イシスは逃げろ」
剣をかざしながらそう叫んだネフェルに、イシスも懐から短剣を取り出し、
「いいえ、私も加勢するわ」
と声を上げ、驚くほど素早い動きで、襲い掛かる刺客の利き腕を切りつける。
「これは驚いたな……、君の武器はパンチだけじゃないんだね」
攻撃をかわしながらそう告げたネフェルに、
「鍛冶屋の娘ですもの、剣の扱いは誰にも負けないつもりよ」
とイシスは余裕の笑みを見せる。
ネフェルが刺客にとどめを刺そうと心臓に剣を突き付けると、イシスはそれ阻止するように手を伸ばし、
「ダメよ、悪党なんて殺生に値しない、その利き腕を切りつけるだけでいいの」
と叫んで刺客達の利き腕を切りつける
ネフェルはそんなイシスを見て、また驚きながらも「了解です、女神サマ」と小さく笑みを浮かべ、彼女と同じように利き腕を切り付けた。
「駄目だ、ひとまず撤退だ」
二人の圧倒的強さに尻込みした刺客達は、一目散に引き上げていった。