【砂漠の星に見る夢】
これがピラミッドの設計書?
これに何か書き加えろと言われても……。
設計書を前に途方に暮れていると真のネフェルの侍女達が部屋に近づいて来る声が聞こえてきた。
「今、ネフェル様、お部屋を出て行かれたわよね」
「じゃあ留守番しなくては」
「それにしても、お優しくて素敵なネフェル様の侍女になれて幸運よね」
ネフェル自身はしばし宮殿を離れていたので誰が誰の侍女であるかなど、まだ把握していないのだが、侍女同士となると話しは違う。
私がヘレス様の侍女であることは一目瞭然。
ここにいるところを見られると、何かと陰謀だと大騒ぎになるだろう。
彼女は慌てつつ、とりあえず何かしなければと、その文字を巧妙に細工しバルコニーから外へと逃げた。