泥だらけの猫
 その翌日、またもやインターホンが鳴り、またもや自慢気に警察手帳が画面に映し出された。 

 ドアを開けると、「警察です」と改めて言われた。 
 刑事は、この前と同じ人物であった。


「今度は何の御用ですか?」

 さすがに私もうんざりとする。 

「いや、何。今度は他の部屋の人が居なくなりましてね」

「それが私と何の関係が?」


「行方不明になったのは、この部屋の隣の人と真下の部屋の人なんですよ。何かね、貴女を残して周りの人達が殺されたり行方不明になったりで・・・・それで」


「それで?」
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