Yucky☆マニア~Special Fan book~


俺がガキの頃。
美織の家族と俺の家族でグアムに旅行に行ったことがある。


ホテルのプライベートビーチで「さあ!泳ごう!!」ってなった時


「だぁぁ〜!一ノ瀬!!
頼むから上に何か羽織ってくれ〜!」


って、母ちゃんの素肌を見せるのを涙ながらに嫌がった父ちゃんに


「いいね〜。
やっぱり南国にはきわどいビキニだよね〜。」


って、やたらと自分のヨメを露出したがった、美織のオヤジ。



それを見ながら、自分の父親の情けなさを痛感したことがある。


ーー乳ぐらいでケチケチすんなよ!



そう思った。
間違いなくそう思ったはずだった。

俺は父ちゃんみたいな情けない大人には絶対にならない。

寛容で懐のでかい、慎みたいなオトコになるんだ!!



そう、思っていたハズなのに……




「キョーウーちゃんっ!
見て!この水着、今日のために新調したの〜♪」


目の前にいる美織を見て、俺はやっぱり親父の子どもなんだとつくづく思った。





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