Yucky☆マニア~Special Fan book~


ダメだ…
これは絶対にダメだ。


美織のこんな格好を他のオトコに見られるかと思うと憤死する。


俺は元来、女に対する独占欲って、そこまでない。


可愛い子は可愛いし
エロい子にはエロい格好をして欲しい。


何がどうでも気にしない。
それが俺らしさだったはずなのに……


「キョウちゃん。
早く泳ごうよー。せっかく来たんだから…ね??」


だぁぁ!
上目遣いで見上げるな!
俺に谷間を見せんじゃねーよ!


こいつに関しては、俺様は俺様じゃなくなる。

独占欲でいっぱいになって、思考回路も行動も、何もかもがおかしくなっちまう。


あー、無理!
この状態で泳ぐなんて絶対に無理!



そう思って

「帰るぞ、美織。」


「え?えっ?
ええっ?!」


俺は無理やり美織を車に放り投げて、ブゥンと車を走らせた。



「ええー?!きょうちゃんっ?!」



美織は目を白黒させながら、俺と窓の外を交互に見合わせてるけど、そんなの知るか!!


お前の水着姿は誰にも見せねぇ!!


親父!
今ならあんたの考えがよくわかる!

無理だ!!
好きな女の裸を晒すなんて、俺には無理だ〜〜っ!!!


慎のように器の大きい男になるにはまたまだ修行が足りないと痛感した、藤堂響弥なのだったーー……



【fin】
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