Yucky☆マニア~Special Fan book~
「は??」
慎の言っている意味が分からなくて首を捻ると
「オマエが入学を決めた時海星のお偉いさんたちは困った顔してただろ??ああいう名門校はなー。とにかく面倒事を嫌がるんだよ。」
「は?何が面倒なんだよ。
それと俺との変装に何の意味があるわけ??」
「オオアリだろ?
Kiriとしてのオマエが普通に高校生なんかになったら、名門校の風紀が乱れる。マスコミが詰めかけて静かな日常が壊れるかもしれない。
あの中学の時のように…な。」
そう言って、慎は俺のオデコをピンっと弾く。
「海星は都内でも有数の進学校だ。
学生が勉強に専念できる環境づくりに神経をとがらせてるフシがある。そーんなところにKiriであるオマエが入学なんてできるわけないだろ??」
――う…、確かに……。
慎にそう言われて
数日前までのイヤな出来事を思い出す。
授業が終わるたびに詰めかける、学校中の女子
校門で待ち伏せする、他校の女子たち
やたらと無くなる文房具に
机の中に入れられた大量の手紙
卒業式の日なんて
追いかけまわされて散々なメに合った。