Yucky☆マニア~Special Fan book~
そう叫んで
近くにいたアイツの体を引き寄せて抱き締めると……
「俺の部署で爆睡するなんて、見上げた根性だなぁ、藤堂く~ん??」
――へっ?!
俺の耳元で聞こえるのは野太い悪魔の声と、Happyの香り。
――え?なんで??
なんで伊織から部長の声が聞こえるんだ……?!
焦る気持ちを押さえながら、そーっと目を開けていくと……
「う、うぎゃぁぁぁあ!!」
「オハヨウ、藤堂。」
俺の目の前にいたのは、紛れもなく部長!
鬼部長と名高い、あの桐谷慎だった。
「えっ?あっ??
な、なんで俺、会社にいるんだ?!
伊織は?伊織と沖縄にいたはずじゃ……?!」
あの甘い時間を思い出して
目の前に巻き起こる不幸の意味がよくわからなくて、ぶつぶつ呟いていると
「なーにワケわかんないこと言ってんの。ココはオフィス。
キミは傷心旅行から昨日帰ってきたばっかりでしょーが。」
ドS部長はフフンと笑いながら、俺を見下す。