Yucky☆マニア~Special Fan book~
美織の部屋を出て
「何やってんだ、俺……」
俺は頭を抱えながらヨロヨロと床にしゃがみこむ。
壁に背を当て
頭に手を当てて
俺は自分の情けなさを再確認する。
好きなオンナに好きだと言えず
他のオトコとのデートの為の服を一緒に選ぶ。
――なんだよ、俺
こんなのピエロじゃないか。
好きだって言えないくせに
美織にだけはホントのコト言えないくせに、しっかり独占欲だけはあるんだもんな。
「ホント…どうしようもねぇヤツ……。」
扉の奥から聞こえる美織のルンルンな声。
その声を聴きながら俺はもっと自己嫌悪に陥り始める。
世界で一番憎らしくて世界で一番カワイイ俺の悪魔。そんな悪魔の声を聴きながらブルーになっていると
「あれ~??
響弥どうしたの~??」
「ゲッ、慎!!!」
俺はこの世の大魔王
アイツの父親・桐谷慎に声をかけられた。