Yucky☆マニア~Special Fan book~
それに…さ??



『ア…っ。キョウちゃん…っ!!
キモチイイよぅ……っ!!』


「くっ…はぁ…。
美織……っ!!!」



夜のお楽しみの時間も
最初はエロDVDのAV女優だったクセに、最後の最後でいつも美織にすり替わる。




はぁ~~。ヤバイな、俺。
自分で自分が気持ち悪ィ……




俺は自分の欲望を吐き出したティッシュをポイッとゴミ箱に投げ捨てる。





拓真と美織は上手くいってんのに


手をつないだだの、キスしただの
聞きたくもない報告をアイツからは受け付けてんのに。





好きだ、と告白する勇気も
自分の気持ちをぶつける覚悟もねぇクセに
妄想と欲望だけが膨らんで、アイツをどんどん汚していく。




ベッドに横になりながら、俺はこんなことを考える。





――ほんと…どうしようもねぇな、俺…。




白い自分の欲望を吐き出した瞬間
いつも俺は強い罪悪感に襲われる。


大切な幼なじみをどれだけ汚せば気が済むんだろう。


俺が妄想でアイツを汚すたび
本物のアイツも汚している気がして、俺は激しい吐き気をもよおす。





あ~~~ぁ。
アイツは俺の気持ちなんて望んでもいなけりゃ、予想すらしていないっつーのによ……。




――空しい。


イクまでは必死で夢中で妄想してんのに、出した途端に空しさが襲い始める。





遅すぎた恋心





今更想ってどうなるわけでもないのに
最近、アイツと二人でいるのがつらい。


無邪気に笑うアイツがムカツク。




あの柔らかいほっぺに触りたい

細くて白い、あの手に指を絡めたい

思いっきり抱き寄せてキスしたい

アイツの恥ずかしいとこ全部全部見てみたい

俺の熱い欲望の全部を……アイツのカラダに埋めたい




幼なじみには決して抱いてはいけない感情。
仲良しの女友達には決して抱いてはいけない感情。



なのに、俺はアイツと二人でいると
この思いに体中が支配されてしまう。



自分で自分の欲望を抑えられない。
アイツが欲しくてたまらない。



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