Yucky☆マニア~Special Fan book~


幼なじみを貫き通したところで
美織は俺のモノになりゃしない。



気持ちを伝えたところでフラれるのは目に見えてる。




アイツの前で
カッコ悪い自分は見せたくない。


だけど素直になる勇気もなければ、玉砕する覚悟もない、弱虫でヘタレな俺。



――もう…限界だ。



アイツの為に
二人の為に


精一杯幼なじみを演じてきたけど




「…キョウちゃん…??」




このカワイイ顔した悪魔は
こうして無邪気に傷つける。




その一言がどれだけ俺を追い詰めるかなんて気づきもせずに、無邪気に残酷に、美織は俺を苦しめる。





アイツに貸した白いパジャマ
少し深めの襟元から覗く白い谷間に
すらりと伸びた、長い手足。


シャワー上がりの甘い香りに
すこしだけ湿った、アイツの長い髪





――もう…いいんじゃねーの??





報われない想いなら
どんなに願っても叶わない想いなら


もうこのまま壊してやろう。





アイツのカラダとココロに
誰にもつけられない傷を付けて


美織の中に俺を刻み込んでやる。



そう決意した俺は
アイツにジリジリとにじり寄る。




「え…、キョウちゃん?」





忘れさせやしない。
俺を忘れるなんて許さねぇ。




「それを俺に聞いて……
美織はどうする気??」




報われない想いなら
気づいてくれない想いなら
メチャクチャに壊れてしまえばいい。



あとかたもなく……
全部全部壊れて無くなってしまえばいい。

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