Yucky☆マニア~Special Fan book~
――やっぱ好きだ…。



どんなに諦めようと決意しても
この顔を見るとダメになる。



アイツが少しでもほほ笑んでくれた日にはクールを装うけれど……内心小躍りしそうなくらいにうれしくなる。


なのにさ??
俺はいつもアイツを傷つけてばっかりだ。



不器用でプライドの高い俺は
どうしてもアイツに好きだと言えなくて
自分の気持ちを素直に言葉にできなくて


消化できないほど大きな“好き”という気持ちが手に負えなくなった俺は、いつもアイツをこっぴどく傷つける。



近づいて
傷つけて

仲直りして
傷つけて



再会してからの美織と俺は
ずっとその繰り返し。




俺と関わるたびに美織は泣いて

「キョウちゃんなんて大っ嫌い!」

を連発する。




傷つけることしかできない俺は
いつだってアイツを困らせて泣かせるばっかり。




傷つけたい
誰よりも傷つけたい



そう決心したはずなのに、それでもアイツが俺の近くで笑ってくれるとホッとする。



『キョウちゃん』



あの頃と変わらない呼び名で美織が自分を呼んでくれると、ココロの奥がホッコリとあったかくなって、心の中が満たされる。




矛盾…してるよな。
傷つけたいのに微笑んで欲しいだなんて。


傷つけてるくせに、自分をもっと見て欲しいだなんて、都合がいいにも程がある。


< 69 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop