Yucky☆マニア~Special Fan book~


人一倍独占欲は強いのに
素直になれずにひたすら逆走し続ける俺。



誰よりも傷つけてやりたい



そう決意していたはずなのに……




アイツに会うたび、話すたび
“コイツを誰よりも幸せにしてやりたい”そう思う俺がいる。



呆れるよなぁ…



初志貫徹の出来ないヤツだな~、俺。





誰彼かまわず愛想ふりまいて
ニコニコヘラヘラしてる美織にムカツクくせに


自分にだけ視線を向けられるとドキッとする。




あの蔑んだ目じゃなく
普通の目をして笑いかけてくれるだけで、俺はひどくホッとする。






抱きしめたい

触りたい

そのプニプニのホッペに噛みつきたい




話しかけて欲しい

笑って欲しい

俺だけを見つめて欲しい





アイツと二人の時間を過ごすたび
そんな思いが強くなって……



あの雨の日にした決意が、どこかに吹き飛ぶ。






それでも…さ?
強情っ張りで頑固な俺は
そんな自分の気持ちを認めることが“負け”に思えて


そんな自分を確認するたびに
そんな気持ちに気づくたびに
俺は自分を奮い立たせて、アイツをずたずたに傷つける。





拓真のメールに逆上して
アイツをプールにぶち込んだ時もそうだ。






もうこんな恋愛限界かもしんねぇ
こんなに好きなのに、コイツは俺を見てくれない。


そう思うと泣けてきて
悔しくて、いたたまれなくて
やるせなさで泣けてきて


気が付いたらアイツをプールにドボンとぶち込んでた。


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