Yucky☆マニア~Special Fan book~


美織と俺の過去をネタに
俺に八百長をしろと要求してきた、バカなライバル。



あーのーなー。

お前はアホか!なんでそんなことで俺が負けなきゃなんねーんだよ。



今さらだろ。
俺はバレても構わねぇ!と思ってるし、世間様のバッシングなんて何一つ怖くねぇ。



そう思っていたクセに……
美織をネタにされた瞬間に怖くなった。
情けねぇことに迷いが生まれちまった。



泣かせてばっかで
苦しませてばっかで
傷つけてばっかの美織



ま、元をただせば
俺がこんな性格になった原因はぜーーーーんぶアイツにあるけどさ??




それでもやっぱり考える。




これ以上アイツを苦しめていいのか…って。





俺がこの手でアイツを苦しめることには、正直なんの躊躇もなければ後悔もねぇ。だって、そうさせるアイツだって悪いんだから。




でも……
俺以外のやつがアイツを傷つけるっつーのはなんか腑に落ちねえし、モヤモヤが残る。





次の大会は勝ちたくないか、と言われればウソになる。


勝ちてぇにきまってんだろ、そんなもん!!





吐くまで泳いで
ぶっ倒れるまで泳いで
イラつくコーチどもとケンカしながら、毎日泳いで



こんな苦しい思いして毎日泳いでるのに、なんで俺が負けなきゃなんねーんだよ!!





しかも今度の日本選手権は俺の大学生活最後の日本選手権。
世話になった郷田ジャイアンに報いるためにも絶対優勝してやる!!そう思っていたのに……なんでこの俺様がクソ美ごときのために負けなきゃなんねーーんだよ!!


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