Yucky☆マニア~Special Fan book~
――やべぇ…
高校の時の俺よりもタイムが悪い……。
いつも自分の味方だった水たちが
俺の体が前に進むのを阻んで、カラダが重くて重くてたまらない。
まるで目に見えない大きな壁が俺の行く手を阻んでいるかのように、泳いでも泳いでも前に体が進まない。
――なんでだ!?
なんでこんなに体が重い??
「いい加減にしろ!藤堂!!
本気で泳げ!!!」
焦ったジャイアンは俺に罵声を投げかけるけど
「うっせぇ!!!
俺は一生懸命泳いでるっつーーの!!」
焦ってるのはこっちも同じ。
今までの競泳人生の中で訪れた最大のスランプがこの時期だななんて…不幸にも程がある…!!!
もう一度基礎に戻ってフォームを確認しても
筋トレで体を鍛えても
VTRで自分の泳ぎを確認しても
泳げば泳ぐほど
タイムがみるみるうちに落ちていく。
「なぁ…。」
「ヤバくね?響弥さん。」
「つーかこんな状態じゃ、あの人予選すら通過しなくね??」
いつもは俺を王様のように扱う水泳部の後輩たちの雲行きがだんだんと悪くなる。
いつもは
「さすがっすねー!響弥さん!」
とか
「今回も楽勝っすねー!」
とか調子のいいこと言って俺にまとわりついてくるクセに、俺がこんな状態になった途端、手のひらを返したように陰でコソコソ言いだして、近くには寄り付きさえしない。
高校の時の俺よりもタイムが悪い……。
いつも自分の味方だった水たちが
俺の体が前に進むのを阻んで、カラダが重くて重くてたまらない。
まるで目に見えない大きな壁が俺の行く手を阻んでいるかのように、泳いでも泳いでも前に体が進まない。
――なんでだ!?
なんでこんなに体が重い??
「いい加減にしろ!藤堂!!
本気で泳げ!!!」
焦ったジャイアンは俺に罵声を投げかけるけど
「うっせぇ!!!
俺は一生懸命泳いでるっつーーの!!」
焦ってるのはこっちも同じ。
今までの競泳人生の中で訪れた最大のスランプがこの時期だななんて…不幸にも程がある…!!!
もう一度基礎に戻ってフォームを確認しても
筋トレで体を鍛えても
VTRで自分の泳ぎを確認しても
泳げば泳ぐほど
タイムがみるみるうちに落ちていく。
「なぁ…。」
「ヤバくね?響弥さん。」
「つーかこんな状態じゃ、あの人予選すら通過しなくね??」
いつもは俺を王様のように扱う水泳部の後輩たちの雲行きがだんだんと悪くなる。
いつもは
「さすがっすねー!響弥さん!」
とか
「今回も楽勝っすねー!」
とか調子のいいこと言って俺にまとわりついてくるクセに、俺がこんな状態になった途端、手のひらを返したように陰でコソコソ言いだして、近くには寄り付きさえしない。