Yucky☆マニア～Special Fan book～

パイプ椅子を振り回しながら
ロッカールームを荒らしまくって


溜まったストレスを
全部吐き出す。





あーーーーっ！クソ！！！
なんで俺が後輩から憐みの目で見られなきゃなんねーんだよ！！


苦しいのも
焦ってんのも
悩んでんのも全部俺だっつーの！！


お前らに同情かけられるほど、俺は堕ちちゃいねぇーーーっ！！！






ベコベコに凹むロッカー
バラバラに散らばる雑誌の山


だらしなく開いたロッカーからこぼれだした誰かの衣類に、室内に響く破壊音。







あの時の俺は
悪いけど美織のことなんて眼中になくって
考えてるのは自分のことばかりだった。






どうしてタイムが上がらない？
なんで体が思うように動かない？？


誰よりも信頼していた自分が
誰よりも憎い敵に見える。




「ちくしょーーーーっ！！！！」




俺は大声を上げながら
暴れ狂う。





どんなときだって……
俺は自分を信じてた。


どんなに苦しい困難も
出来る自分を信じて、乗り越えられる自分を信じてココまでやってきたんだ。





努力は自分を裏切らない
努力の数だけ自分への自信は深まる。



負けたくない。
頑張らない自分に負けたくない。




いつだって努力と自信は
俺にたくさんの力をくれて、俺の期待に応えてくれた。






なのに……
最後の最後でどうしてこうなる！！？


水の中が気持ちよくない
泳いでいても楽しくない
カラダが泣きそうなくらいに重くて、泳ぎながら嫌になる。