Yucky☆マニア~Special Fan book~
なのに……このザマは何なんだ。


大切な女は親友の元へ去る。
大切な夢は俺を裏切る。


夢も美織も
俺の元からいなくなる。



最大級の傷跡を俺に刻みつけて……
俺の前から消えてなくなる。




「ホント…ムカツク……。」




大体よー。
美織が悪いんだよ、美織が!!




そう思わねぇか??
皆の衆!!




アイツの存在が俺の全てを狂わせる。




よくよく考えればアイツに出会わなければ俺はこんなエキセントリックな性格にならなかったかもしれねぇし、こんな大事な局面でスランプにも陥らなくて済んだかもしんねぇ。



やっぱ……
アイツは悪魔だ。

俺の元に降臨した、憎き人間悪魔だ…!!



そう思って美織への怒りを再確認していた頃



ロッカーの扉がそぅっと開いて
その隙間から、人間最悪悪魔・桐谷美織が顔をのぞかせる。




不幸の元凶
俺の悪魔
幼なじみと言う名のムカツクオンナ




俺の怒りの元凶の登場に俺の怒りは最高潮。




アイツの近くにあった壁めがけて
パイプ椅子を投げつけて
ヒドイ言葉を投げつけて
俺は美織を遠ざけようと試みた。




大体よー?
コイツはもう諦めるって決めたわけだし。


コイツにだけは弱いところは見せたくねぇし??



しかも今はアイツを傷つける元気もねぇし。




もうほっといてくれ
俺はオマエと向き合うの……いいかげん疲れたんだよ……。



そう、思って
アイツをここから遠ざけようってしたのに


「キョウちゃんの意地悪には慣れてますから。
キョウちゃんの傍にいて、いい思いしたことなんてこの10年近く一度もないでしょ?」


そう言って
悪魔な幼なじみは俺の隣にチョコンと座る。



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