Yucky☆マニア~Special Fan book~
ココロの奥がなんかホッコリ温かくなって


触れる腕越しに感じる体温が
俺の心を不思議と落ち着かせる。



――やべぇ…泣きそう…。



さっきまで世の中で自分が一番嫌いだったのに
許せない!死んじまえ!!そう思っていたのに


コイツが隣にいてくれて
優しい目で自分を見てくれてるだけで
嬉しくて泣きそうになる。






「大丈夫。
キョウちゃんは大丈夫」



そう言ってくれてるみてえで、ホッとする。





あーーークソ!
この人間悪魔め。


俺を困らせてる張本人のクセして、心配そうな顔で俺を見るんじゃねーよ。



しかもキスも嫌がんねーし!!
しかも俺のコト、す、す、す、す、す、好きだ!とか言うし!!(まぁ哀しい勘違いだったけれども。)




なんなんだ?オマエ!
湯たんぽか?
オマエは湯たんぽなのか??


自然な温かさと優しさで
俺様をホッコリさせやがって!!


無駄に期待を持たせやがって!!



この性悪人間湯たんぽめ!!



あのな。
そんな風に優しくされたらなぁっ!

単純な俺様は益々オマエのことが好きになっちまうだろーがっ!!




アホかー!!
この天然性悪悪魔!!
湯たんぽ―!!



アイツとあの暗いロッカールームにいて
思っていたのはそんなこと。




アイツと二人でいて
くだんねぇ話をいっぱいして
俺は忘れかけてた自分自身を思いだせた。


久しぶりに笑った。
久しぶりに穏やかな気持ちになれた。
久しぶりに“あー!今すぐ泳ぎてぇ!!”そう思えた。


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