Yucky☆マニア~Special Fan book~
そんな気持ちになれた時…よ??
俺はやっぱりこう思った。
俺の喜びも悲しみも
きっとコイツと共にあるんだ、と。
どんなに突き放しても
傷つけても
なぜか最後の最後では俺の味方でいてくれる美織。
俺が俺である限り
お人よしな美織は俺を助けてくれるんだろう。今みたいに、きっと。
俺の最高の幼なじみの美織
世界で一番大嫌いで
誰よりも愛しい悪魔なオンナは
愛し愛されるという、当たり前の幸せをこの俺に奪われている。
身勝手な俺の
ワガママな俺のエゴのせいで、アイツは女としての幸せを捨てざるを得なかったんだよな…きっと。
俺に幸せを奪われたくせに
俺にすべてをくれた美織。
自信も
優しさも
温かさも
全部アイツが教えてくれた。
オンナを愛する苦しさも切なさも
報われない哀しさも
教えてくれたのは他の誰でもねぇ、美織だった。
ただの“幼なじみ”の俺に
惜しみない愛を注いでくれた、美織。
それは俺の意図する“愛”ではなかったけれど……そればっかりはしょーがねぇよな?(ムカつくけど…しょうがない。)
――よし…決めた。
決めたぞ、美織。
俺は自分の為じゃなく、今度の試合は初めてオマエの為に泳いでやるわ。
誰よりも速く
誰よりもいい泳ぎで
オマエの目の前で泳いでやるよ。
今更ホレたって遅ぇんだかんな!!
キラよりも誰よりも
最高の泳ぎを美織、オマエに見せてやる。
最初で最後の泳ぎになるかもしれねぇからなー。
目ん玉グイッと開けて、よーーーーく見とけよ??
美織。
俺はオマエの為に
俺の全てを捨ててやる。
決めた!
もう、決めた!
揺らがねぇ!!
俺の競泳人生最後の泳ぎは…オマエにやるよ。