Yucky☆マニア~Special Fan book~
「俺が教えてやるよ。
オトナのエッチで濃厚なチューってヤツ。」


「…え…??」


「だから、舌出せ。」




あ~、ダメだ。
今すぐしてぇ!


アイツの舌に自分の舌を絡めたい。
小さな快感に小さな喘ぎ声と小さな反応をする美織をこの目で見てみたい。




挑発するように
煽る様に
幼なじみじゃないオトコの目をして
アイツに自分の欲望をぶつけると



「…む、無理だよ!!
そんなキス絶対無理!!」



美織は泣きそうな瞳をしながらフルフルと首を振る。





――この期に及んで寸止めか!!


さっき俺を『スキ』だといった、クソオンナ。


一体どこまで俺を翻弄させれば気が済むんだ、このオンナ!!







止まらない性欲を止められて欲求不満でイライラMAXの俺。



「何がダメなんだよ、何が。」


「…え??」


「キスはいいんだろ!?キスは!!
ヤらせてくれって言ってるわけじゃねーんだから、今更キスぐらいでもったいぶんな!」




どこまでもバカな俺はこの期に及んで、美織を脅迫するような、ビビらせるような、最悪な言葉をぶつけてしまう。





――何やってんだ、俺……





俺の腕の中には
びっくりして泣きそうになってる美織がいる。


さっきまでの柔らかい顔じゃない。


そこには今までの美織
怯えて、恐れて、傷ついてる美織の顔がある。




ヤりたいからって
アイツのエロい反応が見たいってだけで、俺はまたコイツにこんな顔させてんのか。




――あ~~、自己嫌悪。




俺ってどこまで行っても
やっぱりガキで節操ねぇのな……。


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