Yucky☆マニア~Special Fan book~
傷ついた瞳の美織
怒ってる瞳(に見せかけてる)俺



そんな二人がプールの中で見つめ合っていると




「……死んじゃうもん…。」




美織はソッポを向きながら、小さな声で何かを呟く。





――は??

コイツ何言った??






アイツの言葉の意味が分からなくて首をひねると


「…これ以上ドキドキしたら、心臓が口から出ちゃう!!」


天然寸止め女はこんなわけのわからない一言を大きな声で叫ぶ。




はぁ?
心臓??
何言ってんだ、このクソオンナ。




「心臓ってなんだよ、心臓って。」




意味わかんねー。
なんでこの場で心臓が出てくるんだよ。
しかも口から出るって…意味不明だろ。





相変わらず謎の思考回路をしている謎の生き物を見下ろしていると、突然美織は俺の首筋に両手を伸ばしてギュウッっと俺を抱きしめる。



首に密着する白い腕
そして俺の胸板に密着してるのは…アイツの柔らかい胸。



プニョーーーン

フニューーーン

ポヨーーーーーン



――コイツ俺を殺す気か~~!!!



キスはダメ
おさわりもダメって言われてんのに
自分からはいいのかーーーっ!!!




アイツの考えなしな行動にイラつきながら、半分喜びながら、でもやっぱりムカつきながら、アイツにされるがままにされていると




「…聞こえる??」


「何が。」


「私…すっごい心臓の音してない…??」




泣きそうな声で美織は小さくそうつぶやく。



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