硝子の器に君の雫
彼女は必死に謝った。
唇を噛み締め、下を向いているのでよく見えないが涙ぐんているように見えた。
気まずいなと思いつつビールを口にした時、女二人が
「樹くん代わりに飲んであげるの?」
「優しいー」
なんて俺に向かって言ってきた。
勿論そんなつもりはなくただ気まずさ回避に口を付けようとしただけ。
無神経な周りとその空気に腹が立ってきて声を上げようとした時、彼女が両手でテーブルを叩きつけた。