手に入れても



身を捩って振り返り、その表情を心行くまま眺める。思ったより距離が近くて、何だか思いつめた表情をしている。

ゆっくりと顔が近づいてきたから、私もゆっくりと瞼を降ろした。





「…ん、」

最初は緩やかなものだったそれは徐々に熱を帯びていく。


快感よりも安堵の方が大きかった気がする。互いの熱が混ざり合うことで、長年の燻りを解消することができたように思えた。


シングルベッドが二人分の負荷に悲鳴を上げている。私の歓喜の悲鳴がそこに加えられ、もう何が何だか分からなくなっていた。
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