Special
そして日が暮れるのを待って、私が向かった先――――
ホストクラブ DReaM
「いらっしゃいませ―――由麻様」
3度目の来店は、おどおどしたものではなく、堂々と店内を闊歩していた。
「由麻様。本日は――」
「本当にすみません。―――レンで」
「レン、ですね」
「はい。これからずっとレンを指名しますから」
少しだけ目を大きく見開いたそのウエイターはすぐににこりと笑って頭を下げて私の席から去っていった。
そう。
もう、揺らがない。
だから、私にはレンしか指名しない。
例え滑稽だと思われても。