Special
Ren's side2
コンコン、とノックの音が響いた。
「よ、生きてっか?」
「堂本さん…!」
病室に入ってきたのは仕事の合間に様子を見に来てくれたであろう堂本さんだ。
「検査すんだって?」
「はぁ、なんか一応。俺は早くここから帰りたいんですけど」
「まぁそう言うな!せっかくだから診てもらえ。店は気にしなくていいから」
堂本さんが丸い小さな椅子に腰を掛けて俺にそう言った。
「いや、明日退院しますから」
「別に無理しないで休んでもいいんだ」
「……」
堂本さんの気遣いに俺は目を伏せて少し俯いた。
昔からたまに考えてしまう。
そう言う風に言われると、俺は必要ないんじゃないか。居場所は元々ないのではないか、と。
そんな時堂本さんは溜め息混じりに口を開いた。