Special
俺はその答えを聞くや否やベッドの掛け布団を払いのけた。
「堂本さんッ…携帯使えるとこありますか?!」
「あ?ああ…確か廊下出て…」
廊下へ急いで出ると、自分の携帯の電源を入れてメールのチェックをした。
勿論何も携帯に変化はなく、俺は続けて由麻の番号に発信する。
『プルルルルル プルルルルル プルルル…ップツッ。
只今、電話に出ることが出来ません』
「…ちっ…」
俺は望みの声が聞こえない携帯に舌打ちをして病室に戻った。
そんな俺を待っていた堂本さんは次の俺の行動を見て絶句する。
「れ、レン…?」
「堂本さん、俺ちょっと行きます」
入院着を脱ぎ捨て、堂本さんが今持ってきた服を袋から出して袖を通しながら言った。
「え?!行くってどこ…」
「――点滴昼で外れてて良かった」
ニッと笑って俺はそう堂本さんに言うと、そのまま横切り病室を出た。
それを追うように堂本さんがドアを開けて呼ぶ。
「レン!」