Special

捕われ続ける感情



「…んっ…」


い、痛い…
ここ…どこ…だっけ?


私が意識を取り戻したときに視界に映ったのは少し古い雰囲気の天井。

ゆっくり体を起こして周りを見るが、暗くてよく見えない。
暗さに目が慣れた時に足音が聞こえて振り返った。


「おー…目、覚めたか」
「マサキ…」
「結構ぐっすりで助かったよ」
「ここどこ?!」
「…ちょっと思い出の場所に付き合えよ」


“思い出の”――?なに…?


よくみると、どうやら廃墟の建物の一室のよう。
だけど造りがどこかに似ているような…?

そんな思考を張り巡らせていたときにマサキが不意に近付いてきて鎖骨あたりからツッと指を下になぞった。


「??!」


私はゾクリとして背筋を伸ばし、慌てて胸元に手をあて下がった。


「くっ…いい反応だ」
「な、なにす」


ふと、胸元を確認すると、ブラウスのボタンが半分外されていることに気がついた。
ギリギリ下着が見えるか見えないか…まさか―――。




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