Special
自分にヤられたかもしれない男にそれでもなお鋭い視線を向けて言う私にマサキは小さい笑いを漏らして答える。
「“何”?別になんにもねぇよ!ただ気に食わないだけだ」
「レンにそこまで執着してるのは、なぜ?」
マサキの答えを聞いてもさらに問い詰めた。
「―――笑われるようなことだ」
マサキが力なく笑うと立ち上がって奥へと歩いて話し始める。
「ここは、元ホストクラブだ」
この薄暗い建物。
目が慣れてきて私も気が付いていたことだった。
“造りがホストクラブに似ている”と―――。
「ここは堂本さんが№1だった店だ」
「堂本さんの?」
ていうことは……