Special
「いや……どうかな」
レンはぽつりと呟いた。
「俺はもしかしたらアイツに過去の自分を重ねて見て…それで今の自分と比べて、今が優位に立ってることで安心したいだけなのかもしれない」
「レ…」
「それは絶対違うよ!」
レンの言葉に堂本さんが何かを言い掛けた。が、それをも遮って私が大きく否定した。
「レンはもう後ろを見てない!前を見て歩いてる…!だから私を助けに来てくれたんでしょう…?!」
レンは私の言葉に何も言えなくなって、ただ真っ直ぐと私を見つめていた。
「…とにかく良かった。マサキの件はおれが考えとく。とりあえずレンは病院戻れ」
そんな私のセリフで満足してくれたかわからないけれど、堂本さんが話をまとめると車は病院へ向かって走った。