Special

「…ぷっ…ははっ!」


堪えきれず笑い出す堂本さんを目を丸くして見る。
一体何を笑われているのか。


「――――いや。予想通りだと思ってよ」
「予想通り…?」
「由麻の行動、言動が…おれと―――レンのな」
「レンの?」


ますますなんだか整理出来ない。

ということは、レンは今こうして私が探し回って堂本さんのところにくるのがわかっていたと言うこと?


「まー…レンは無事だ。それだけ」
「えっ…」


それだけ!?


「また必ずお前のとこに来るだろ。だって―――まだ渡してないんだろ?」
「……」


私はそう言われるとカバンをぎゅっと掴んだ。


確かに…まだ、鍵もお金もハンカチすらも返してないけど。
でも、私がくるのわかってるならもう少し何か教えてくれても…


「あの、」


プルルルルッ


私が食い下がろうとした時に携帯が鳴った。

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