Special

Ren's side



――――――――


「お前がもしも本当に由麻に何かしたのなら……覚悟しろよ?」


あの時俺は本気でマサキに手を出す覚悟だった。


「――とっくにそんな覚悟は出来てる。だからソイツに近づい―――」

「うそ」


マサキが俺の拳を受け入れる態勢に入ってそう言った時に、アイツが割って入ってきたんだ。



「―――由麻」


これ以上何も言うな。

お前が関わる必要なんてなかったことなのに、俺のせいで・・・
だからこれ以上なにか起きる前にもう―――

そう思って俺は由麻に声を掛けようとした。


「・・・・」


だけど、俺の目を見てる由麻の顔は何も言わせない程の瞳で、俺はそのまま言葉を飲んでしまった。

そして由麻は、危険を顧みずにマサキへとゆっくり近づいて行った。


< 151 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop