Special
Ren's side
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「お前がもしも本当に由麻に何かしたのなら……覚悟しろよ?」
あの時俺は本気でマサキに手を出す覚悟だった。
「――とっくにそんな覚悟は出来てる。だからソイツに近づい―――」
「うそ」
マサキが俺の拳を受け入れる態勢に入ってそう言った時に、アイツが割って入ってきたんだ。
「―――由麻」
これ以上何も言うな。
お前が関わる必要なんてなかったことなのに、俺のせいで・・・
だからこれ以上なにか起きる前にもう―――
そう思って俺は由麻に声を掛けようとした。
「・・・・」
だけど、俺の目を見てる由麻の顔は何も言わせない程の瞳で、俺はそのまま言葉を飲んでしまった。
そして由麻は、危険を顧みずにマサキへとゆっくり近づいて行った。