Special

突然の訪問者は自分の父。

さっきの着信もお父さんからで、慌ててアパートに戻ったのだ。


「大体今の大学じゃなきゃ絶対にダメだという理由だってないだろう?そもそも上京自体父さんは、」
「あるよ!」
「・・・」
「ここじゃなきゃ、ダメな理由・・・。」


今じゃなきゃダメな理由。


「―――それは学校ではなさそうだな」


父に鋭く突っ込まれて再び口を噤む。


「そんな“遊び”の為にここにいることを許したわけじゃない!」


ドンっとテーブルにお父さんの拳が落ちた。


「遊びなんかじゃっ・・・」


そう反論しかけて止まった。

いくら中身が真面目だとどんなに口で説明しても、彼はホスト。

一般的にホストと聞けばお金持ちの女の人の娯楽―――――“遊び”に繋がるイメージが強すぎる。


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