Special

自分はお客として通ってる訳じゃない。
そりゃ大学は……ほんの少しサボってしまったこともある。
けど、彼は――――レンは私に“大学に行け”と正してくれた。レンは決して不真面目じゃない。


「どうせ周りのチャラチャラした奴らに流されてるだけなんだろう?友達は選べと再三、」
「チャラチャラなんかしてないよ!茜も……」


レンも。


その時私とお父さんの間に、ピンポーンとインターホンの鳴る音が響いた。



こんな時に、誰?

思い当たる来客はない。


出ようかどうしようか迷っていたらお父さんが動こうとした。


「私が出るっ…!」


そのお父さんの動きを制止して私は玄関へ向かった。

ワンルームの私の部屋からは居間から玄関までは何も扉はない。
背中にお父さんの視線を受けながら、私はゆっくりと覗き穴に顔を近づけた。



「―――!!?」


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