Special

「今の自分じゃ到底認めてなんか貰えない…だから、この場を借りて宣言させて下さい」


レンはいつでも目を逸らさない。

それは、その彼の口から紡ぎ出される言葉のひとつひとつ、全てが心を射るような力を発揮する。


「私は、必ず由麻のお父さんであるあなたに認めて貰えるよう努力します。“いつか―――”なんて中途半端なことも言いません。由麻が卒業するまで、必ず」


レン、一体何を―――


「…何を考えてる？」


心の声はお父さんが口にしてくれた。

レンはゆっくりと、しっかりとした口調で話す。


「ホストからはもう身を引きました。
まずは高認試験を最短で。後は遠回りと思われるかもしれませんが大学へ行って、由麻を幸せに出来ると思って貰える所に就きます」
「まさか、高校まで…」
「ハンデがあるのは承知してます。でも必ず一人前の人間に」


お父さんが唖然とした中にも、やはりレンの意志の強さには打たれたようだった。