Special
「祐真、さっきのは…本気?」
高認試験とか、就職とか。
「ああ。ずっとこんな風にしてられないって思ってたけど…由麻がまた、きっかけになってくれた」
ニコっと笑う黒髪の祐真は、なんだかいつもよりも幼く見えて、ドキドキが増す。
「暫く…ゆっくりとする時間はなくなると思うけど、必ず会う時間は作るから」
「……本当?」
「俺を信じられない?」
「そうじゃなくて…っ…」
少し乾いていた涙がまたすぐに流れ落ちる。
「本当に、私の…ことっ―――」
自惚れてもいいのかな。
その低く甘い声に
その伸ばされた温かい手に
その優しい瞳に
自分は特別《special》だって、思ってもいい・・・?
「由麻。こんな俺を諦めないでくれてありがとう」
その胸の中に飛び込んだ瞬間に極上の頬笑みと言葉を私は受ける。
「俺ももう絶対に由麻を離さない」