Special
―――あ?
誰に?おれに?
まさかおれなんかに声を掛ける勇気あるやついないか。
第一女の声。
だったらなおさら、なぁ?
そう一人で解釈して振り向くことなくおれはその歩道を渡り切った。
さて、早く戻らねぇと遠藤に大目玉くらうな。
ポケットに手を突っ込んでコンビニの前まで歩き出そうとした時にまた同じ女の声が通りを響き渡る。
「あの!!」
あ??
まさか、マジでおれ?
なんか落としモンしたか…?
そんな間抜けなことを思ってポケットに突っこんだままの手をそのまま探る。
「堂本さん!」
「!!」
おれは自分の名前を呼ばれて弾かれた様に振り向いた。