Special
「その…堂本さんと祐真を…引き離してしまったから―――…」
―――ああ。
あいつ、祐真っつーのか。
あの出逢ったとき、はじめからそう言ってくれりゃそれで呼んだのによ。
いや、でも―――それじゃあ“成り立たなかった”か…。
おれが一人レンを思い出し、考え事をしている前で由麻はそのまま申し訳なさそうに言葉を繋げる。
「“いつかばったり会えるだろ”って話をしていたことがありました。でも、まさかそれが祐真じゃなくて今日の私だなんて…」
由麻は相変わらず自分よりも人を優先するやつみたいだな。
「あー…ま、いずれはこうなってただろ。つーか、こうなってなきゃアイツはずっと閉じこもったままだった」
「・・・・」
「おれの願いを叶えてくれたんだから、おれは由麻に感謝してるくれぇだよ」
「堂本さん…」
少し涙ぐむ由麻をみて、敢えて明るくつとめた。
「今日は8周年パーティーなんだ!忙しいからもう戻るな」
「あ…おめでとうございます。あれ、お店の名前って確か―――」
由麻が懸命に思いだそうと考えて、ようやくわかった。という顔をした時におれが言葉を挟んだ。
「DReaM」
「そう!ずっと気になっていて!あれはどうして3つだけ大文字なのかなって」