Special
「こんばんは。いらっしゃいませ」
ホスト…というよりはもっと落ち着いた雰囲気の人。
きっと受付とか、ほら、なんか色々やる…ウェイター!そう、ウェイターさんだ。
「あ、あの…初めてなんです…けど」
「失礼ですが、年齢を証明出来るものをお持ちでしょうか?」
えっ。そんなものいるの?
ていうか、こういうとこって何歳からOKなの?
私19だから、ハタチとかだったら既にアウトなんですけど…
そう聞かれて慌てて鞄の中身を探る。
幸運なことに鞄には学生証が入っていたため、由麻は無事に入店することができた。
ひとつの席に案内されると、その席に着くまでの道のりは初めてみる光景ばかりで、ついきょろきょろとして他のテーブルを見回してしまう。
あの人は、水商売の人かな…あのオバサンは、お金持ちっぽい…
そんなことを考えながら見ていると、つくづく自分はなんて場違いなんだろうと半分後悔し始めてしまった。