Special
*
「っ…痛ッ」
やっぱり無理しなければよかった。
いつもの電車は出ちゃうし、座り込んだ為にスカートも汚れたし…
左足の踵をみると酷い靴擦れ。
今日に限って絆創膏も何も持っていない。
「はぁ····」
「見せて」
その声に顔を上げると目の前には見知らぬ男の人。
「立てない位痛いんだろ?じっとしてろ」
「え···?」
私はただ黙ってその彼に従うだけだった。
自分の片膝を付き、私の左足を丁寧に扱う手は長く綺麗な指をした手。
指にはいくつか指輪がはめられていて、視線の高さには首から垂れ下がっているネックレス。指輪はそれと同じブランドなんだろうか、なんて思ったりする。
朝陽に煌めく茶色の髪は、屈んでる彼の目元を丁度隠すように靡いて顔が見えない。
「っ…痛ッ」
やっぱり無理しなければよかった。
いつもの電車は出ちゃうし、座り込んだ為にスカートも汚れたし…
左足の踵をみると酷い靴擦れ。
今日に限って絆創膏も何も持っていない。
「はぁ····」
「見せて」
その声に顔を上げると目の前には見知らぬ男の人。
「立てない位痛いんだろ?じっとしてろ」
「え···?」
私はただ黙ってその彼に従うだけだった。
自分の片膝を付き、私の左足を丁寧に扱う手は長く綺麗な指をした手。
指にはいくつか指輪がはめられていて、視線の高さには首から垂れ下がっているネックレス。指輪はそれと同じブランドなんだろうか、なんて思ったりする。
朝陽に煌めく茶色の髪は、屈んでる彼の目元を丁度隠すように靡いて顔が見えない。