Special
私は目を疑った。
校門までの距離がそこそこあるこの教室の窓際。
だけど私の目にはどうしても、そこに立っている人がレンに見えてしまう。
レンのこと、考えすぎてたから····?
ブーッブーッブーッ
呆然としていた私の手の中で携帯が振動する。
「…信じられない」
着信:レン
後はもう頭で考えるよりも体が勝手に動いてた。
これも恋ってやつ…?
階段を駆け下りながら通話ボタンを押す。
「もしもしっ!!」
『···由麻?』
「今、いくッ···!!」
その電話の会話の間に私はレンの立つ校門のすぐそこまで辿り着いていたんだ。