Special
「だから、なんかすごくレンに救われて。ちゃんとありがとうって言いたかった」
それでもレンは私を見ない。
「レンは、こっちの人?」
「···いや」
「違うの?」
「······」
急に口を噤んだレンは、ただ私の質問が面倒で返事をしない雰囲気ではないことに気付いた。
いいのかな?これ以上突っ込まない方がいいのかな···
そんな葛藤をしたけれど、結局好奇心には勝てなくて私は聞いた。
「じゃあ14からって言ってたのは···ずっと一人で?」
「····そう」
「レンは、その頃から強くなったんだね」
「え…?」
レンが初めて私を見た。
「私もレンのように強くなって、ここで生きていきたいと思ってるから」